令和3年度山陰海岸ジオパークガイド養成講座初級第1.2回のレポート

令和3年度山陰海岸ジオパークガイド養成講座初級第1.2回のレポートです。第1回はジオパーク・山陰海岸ジオパークの概要と、自然公園法について座学で学びました。

午後からは「駟馳山海岸の地形・地質」として座学で学んだことを元に、岩美町と鳥取市の境に位置する駟馳山にて実施検分をしました。講師の先生は第1回に引き続き、山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館の金山さんです。

大谷海岸岩石の説明

駟馳山の麓、大谷海岸の西側は岩石で覆われた礫浜です。駟馳山は日本海が形成された1900万年前以降、砂や泥が堆積した上に火砕岩流れ出て、南側の駟馳山峠付近の断層により、一つの山になったと解説していただきました。駟馳山は火砕流を伴う爆発的な噴火によるものだそうですが、いつ、どこで噴火したのかは不明で、まだまだ謎が大きな山で、調査研究として魅力的な山です、とおっしゃっていました。

そんな研究熱心な金山さんに、周りに転がる8種類の岩石を手に取って、その岩石のできかたから、駟馳山の誕生をお話いただき実際に見て解説していただくことでわかりやすく、貴重な学習時間になりました。(解説の受け取り方に相違があり、記載の文面に間違いがございましたら申し訳ないです。)

大谷浜から山すそを通って西側の岩戸までの自然歩道があります。山陰海岸ジオパークとレイスコースにも入っていて人気のルートでしたが、山崩れの影響でしばらくの間通行止めでした。そして2021年4月に標高217m付近まで登る迂回路が新たな自然歩道として開通しました。

駟馳山自然歩道

新しくできた自然歩道は、急な階段が続く上り坂と下り坂です。ここからは少し補足ですが、大谷浜の駐車場から岩戸までの自然歩道(最頂部217m)、距離にして2.2Kmですが、通り抜けるには時間も体力も十分な余裕を持つことが必要です。自然歩道に入りますと水分など購入する場所はありませんので必ず水分と補給食をご持参の上、入山してください。

話は講座レポートに戻りまして、今回の講座では、自然歩道を確認した後、大谷海岸の駐車場に戻り車で駟馳山の西側、岩戸に向かい、岩戸海岸のいさり火広場に駐車をしてそこから自然歩道に入りました。

自然歩道を歩き約10分、お堂の横を大谷浜へ向かう歩道と別れて滝が磯に向かいました。実は滝が磯までの歩道は、10年ほど前に崩れ通行止めになっていましたが、この度整備され間近まで行くことができるようになり、(滝が磯を見上げる磯には、落石の危険があり行けませんが、)すぐ手前から全貌を見ることができます。

滝が磯

高さ100m、幅150mの安山岩の柱状節理で、駟馳山を作る火砕岩を貫入してできた岩で、雨が降ると岩の間から滝のように水が磯に落ちています。

この日は、前夜の雨で水が流れ落ちていました。天候のタイミングで見れない時もあるので、今回見ることができましたのでしばし、その圧巻に駟馳山の魅力に浸りました。岩と水、木々の中に囲まれると体に染みわたる不思議な力がありますね。

滝が磯
(柱状節理がかっこよくてウットリ)

そんなパワースポットでもある滝が磯を後に、自然歩道を引き返し夷浜展望所につきました。さらに岩戸海岸の凝灰岩と凝灰角礫岩地層・海岸の波食棚やタフォニなどを観察してこの日の講座を終わりました。 

ジオ(地質や岩石など)好きな方にはとても魅力的な講座になったと思います。金山先生、ありがとうございました。引き続き調査の結果進展がございましたらまた学ばせてください。参加者の皆様、コロナウイルス感染症対策にご協力いただきありがとうございます。また足元が不安定な場所でもケガなく無事に開催することができましたこと感謝申し上げます。

次回は「ガイドとしてのマナー・接遇」・リスクマネジメント「保険の仕組み」・「現地研修 歴史の道、蒲生峠~」の予定です。先日講座の蒲生峠に下見に行ってきました。倒木と土砂崩れで荒れている峠道なのですが、連休中に地域の方たちにより倒木を処理していただいてました。蒲生峠に限らず各集落で近くの山や海岸清掃などが行われ地域の皆さんの手で岩美町は守られているのだと実感します。いわみガイドクラブでも自然保護活動やジオパーク学習、歴史学習を継続してきます。

⇒ 山陰海岸ジオパークガイド養成講座初級第3回レポート