地元のガイドに学ぶ岩井まち歩き〜岩井温泉街の見所と歴史

山陰海岸ジオパークガイド養成講座中級編・第3回『岩井まち歩き』のレポートです。

11月21日、やっと平年並みの気候にといっても、風が少し冷たく感じる程度、時々日差しもあり、まち歩きにはまずまずの天気でした。

岩井温泉入口にある駐車場に集合をし、受講者の皆さんから全員そろうまで、駐車場の向いの空き地、かつて岩井町営(旧村営)軌道の岩井駅があったところをながめながら雑談をしていました。

かつての岩井町営軌道と繁栄から廃業まで

岩井町営軌道は大正15年に開業、岩井から12人乗りの木造超小型のガソリン気動車で山陰線岩美駅から岩井まで3.5Kmを運行していましたが、昭和9年の大火、洪水等で客足も遠のき昭和18年に休業をし、その後廃業になりました。

当時は、関西からたくさんのお客様が足を運び随分賑わっていたと、今回の案内人である岩井在住の2人の講師談。

全員そろったところでまち歩きを開始しました。

岩井温泉源泉と岩井小学校跡

まず、駐車場脇の岩井温泉源泉三つ内の一つ。泉温30°前後で冬場でも温かく、近所の人が洗い物に利用されている自噴です。

次に、鳥取県で一番古い擬洋式の木造小学校校舎まで歩きました。小学校移転後は村役場、中学校、アパート、芝居小屋、映画館、工場などに利用されていました。

昭和50年に町文化財と指定されましたが、その後何度か改修保存の話があったようですが実現せず、いまでは西側の2階屋根の瓦も一部落ち、このまま朽ちてしまうのではと…。

岩井のお寺と温泉宿街へ

それから、定信寺、温泉の起源につながる東源寺、「第七官界彷徨」等の作品を発表した尾崎翠の生家でもあった西法寺、鳥取藩主・池田宗康の妻、桂香院が帰依した長谷寺の分院(尼寺)として創建された観音堂(「観音さん」)、

続いて戦後、初代衆議院議長、松岡駒吉のお墓をめぐり、大通りへ出ました。木造三階建の温泉旅館(岩井屋さん・花屋さん)を両側に大通りを北へ、尾崎翠資料館、公衆浴場「ゆかむり温泉」、岩井温泉の源泉の一つ、鳥取藩の制札場跡、そしてかつて賑わっていた温泉街の雰囲気をのぞき、再び大通りを北上します。

案内の地元の2人に、ここは〇〇とかつての商店街の説明を聞きながら、今も残っている十二支の木製玩具(年賀はがきのデザインにもなった)を制作している「おぐら屋」さんをのぞき、「一心堂」の「ゆかむり煎餅」(しょうが煎餅)を口にしながら、駐車場へ戻ってきました。

そこから、まだまだ続きます。

岩井廃寺の鬼の碗と御湯神社

約1Km離れた創建1200年の御湯神社へ向けて移動をし、御湯神社の前に統合前の岩井小学校跡へ。その一隅に、「鬼の碗」とも呼ばれる白鳳時代に建てられた岩井廃寺の三重塔の心礎があります。

鬼の碗は昭和6年国指定史跡となり、3.64m×2.36m 厚さ約1m、円口外縁に高さ3㎝、一辺1..4mの方形造り出し(建造物の礎石上面、柱をのせる部分を台状に掘り出したもの)、と巨大で国内でも最大級です。柱孔も直径77.5㎝あり、高さ33mの三重塔であったことと、グランド整備で堀り出された瓦等から1300年前の伽藍が推測され、小字名は”弥勒寺”とあり、白鳳時代の寺院跡であると推測されています。

グランドの正面から百数十段の石段を登ると御湯神社の拝殿に着きました。拝殿本殿ともに、町内では一番大きなお宮ではないかと思われます。創建は棟札から1200年前の弘仁2年とされ、これをもって岩井温泉は開湯1200年としています。

境内には平家の落人伝説の一つである平教経が矢を研いだ言われる「矢研石」があります。また岩井の奥、相山という集落には教経の墓が伝わっています。

講座では2時間45分でしたが、山陰でも最古クラスと言われ、昭和の趣が残る岩井温泉、また少し足を伸ばせば、周囲には魅力的な史跡がまだまだあるります。一日かけて歩いても、飽きないまち歩きができます。

岩井温泉界隈まち歩きガイドについて

たくさんのポイントがあり一つ一つ解説は記載できていませんが、ガイドツアー時には解説付きでご案内いたします。

お客様のご要望に応じプランニングいたしますので鳥取岩美観光にて岩井温泉に来られる際にはガイドを承ります。人数や時間によりガイド料が異なりますのでまずはお問い合わせください。

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山陰海岸ジオパークガイド養成講座まとめ

令和2年度はコロナウイルスの影響にて様々なイベントやガイドツアーや研修旅行が中止になり、いわみガイドクラブも活動を自粛しておりましたが、

この間にも海岸清掃や登山道整備など個々でできることを続けながらスキルアップと地域の方にジオパーク学習の機会・歴史を伝える機会を設けるため例年より遅れ、過密スケジュールながらも無事に山陰海岸ジオパークガイド養成講座を開講することができました。

ご参加いただいた受講者の皆さまのご協力のもと、第3回まで安全に修了しましたこと心よりお礼申し上げます。第4回は 12月5日(土) 10:00~12:00 専門講座4 「日本遺産 麒麟のまち」 になります。

https://iwamiguideclub.com/event/2020guide.pdf