常智院・二上峯地蔵(町保護文化財)

常智院・二上峯地蔵(町保護文化財)

鳥取県岩美郡岩美町岩常657の天台宗の常智院と二上峯地蔵について記載します

常智院・二上峯地蔵(町保護文化財)について知ろう!

鳥取県岩美町岩常にある常智院は因幡西国観音霊場第八番札所である天台宗のお寺です。

 

境内には二上峯地蔵があり昭和49年4月11日に町保護文化財に指定されました。この地蔵は現在石造りの納室にあり、その納室には文化11年(1814年)と刻まれていて旧暦7月24日の地蔵祭りの時にお寺の庭でこの二上峯地蔵を取り囲んで供養をし続けたそうです。

 

二上峯地蔵は高さ65.5㎝、幅30㎝の板状の厚さを持った石で裏面に「二上峯地蔵応安4年」と刻まれています。正面から見ると右下部分が欠損していますが、線刻された地蔵の姿と燃え上がる炎をかたどった文様(火焔(かえん)文様)の背景は祈りのような力強さが感じられ素晴らしいです。

 

応安4年(1371年)は山名時氏の没年ですので、時氏の死に対しての供養で建立されたものと考えられます。(鳥取市の一行寺には同じ紀年の時氏を祀るお墓があります)

 

常智院と同じ岩常にある二上山城は山陰地方を中心に勢力を持った守護大名・戦国大名だった山名時代の創建とされ、時氏は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将・守護大名として守護所の機能で在城したと伝えられているので、この地蔵を二上峯地蔵と称するのもわかりますね。元々福部町栗谷(栗谷峠)付近に祀られていたと伝えられていますが二上城が目の前に見える場所です。


二上山城と山名時代の話

二上山と二上城に関する記録と写真は二上山と二上城跡(県史跡)に掲載していますので併せてお読みください。