鳥取県岩美町には唐川と牧谷にカキツバタ群落があり、例年牧谷又助池の方が早く5月初旬に見頃を迎えその後5月下旬ごろから唐川が見頃を迎え、美しい紫の花を咲かせます。
唐川カキツバタ群落は標高370m~400mの谷間に大小の湿原が点在している中に自生していて、1ha余の湿原一帯は国の天然記念物として、昭和19年3月に指定を受けていて、国でカキツバタ群落に指定されているのは愛知県刈谷市、京都市、岩美町唐川の三か所です。唐川のカキツバタ群落は3つの場所に分かれていて一番広い湿原が0.6haあり、その中心部に5月下旬から6月上旬に花を咲かせ、湿原植物も100種類ほど自生しています。
カキツバタ観賞会に参加した際にカキツバタの間に ピンク色のトキソウが3株咲いているのが見られました。6月には白いヌマトラノオ、8月ごろまでに ミズチドリ、カキラン、ミズトンボ、サワギキョウ、オトギリソウ等が見られるようです。保護委員さんの説明では、土壌の酸性度が高くカキツバタはもちろん、モウセンゴケ、ムラサキミミカキグサなどを除くと植物は育ちにくく地面が見えているとのことでした。
※近年唐川湿原の樹木等による日照不足や食害、水路の問題といった生育環境の変化によりカキツバタの株数が減少していることから、文化財としての価値を損なわないよう配慮しながら保護するための取組が2024年より行われています。
唐川湿原・岩美町・鳥取市・国府町・福部町の境に位置します。
牧谷又助池のカキツバタ群落は砂丘の後背地に形成された潟湖(せきこ)・ラグーンの名残で鳥取県の自然環境保全地域に指定されています。住宅地の中にありますが、群落の中はとても静かです。池の近くにはキリの花やフジの薄紫の色が綺麗で、この群落は鳥の鳴き声、カエルの鳴き声、木々の葉が風で揺れる音など視覚だけでなく聴覚も心地よく刺激されヒーリング効果があります。
牧谷又助池
開花時期になると何度も足を運ぶのですが、なぜか早く咲くカキツバタが存在します。例年通りフライングで数株咲くことの謎が解けぬままですが毎年、カキツバタの花言葉の『しあわせはあなたのもの、幸運はやってくる』を掛け合わせて、早咲きのカキツバタを観賞して幸せの先取りとこじつけています。
2022年のことですが、外来生物であり繁殖力がある黄菖蒲は一株しか見えませんでした。地域の方がコツコツ本来の生態を守って下さっているおかげでカキツバタが美しく開花しています。
さらに、集落から池の前の橋の所へ行けるよう草刈りをして歩けるようにしたとその女性がおっしゃっていました。お話を伺っただけで未確認ですが、178号線側・海と大地の自然館の方から歩いてくるときは多少近くなるのではと思います。ありがとうございます!!!!