長谷寺

長谷寺

鳥取県の宝である鳥取藩主菩提寺の長谷寺(チョウコクジ・岩美町長谷)について記載します

長谷寺について

鳥取県岩美町長谷の長谷寺は、1783年(天明3年)に鳥取藩主池田家・紀州徳川家・御三卿田安家・加賀藩前田家などの大名家の帰依を受けて創建された岩美町の貴重な文化遺産であるお寺です。(大名蓮が描かれた襖絵:蓮池図襖は平成20年7月29日に岩美町保護文化財に指定されています)

 

紀州藩主徳川宗直の二女で鳥取藩四代藩主池田宗康公の正室の桂香院殿久姫が帰依した道肝徹要尼和尚のために建立した尼寺で、鳥取藩主池田家の菩提寺のため檀家を持たないお寺であり、現在は新井の永明寺が兼務されて管理や保護、地域活動をされています。

 

長谷寺(0857-72-1790)

永明寺(岩美町新井)が兼務されています

蓮池図について…各襖の大きさは立て172.5㎝×幅69.0㎝で群青色で描かれた池には太湖石がおかれ、大小高低それぞれ向きの違う蓮葉の中にいくつかの白蓮・紅蓮がのびのびとした筆使いで描かれカマキリやキリギリスなどの昆虫も描かれ気品と情感にあふれています。作者の明記はなく、藩絵師が描いたものと想定され、時代的に小畑稲升かと推測されているようです(定かではない)

 

御霊屋には桂光院はじめ、五代藩主池田重寛、重寛夫人仲姫、六代藩主治道らの位牌が納められ加賀藩前田家など諸大名から寄進された延期や染織品などの資料も伝えられており、長谷寺の寺宝は、鳥取県立博物館に約100品目を寄託されています。
(大名蓮が描かれた襖絵・三十三観音像・開山像が2020年7月にアライグマ被害を受けました)