二上山と二上城跡(県史跡)

二上山と二上城跡(県史跡)

鳥取県指定文化財の鳥取県岩美郡岩美町岩常の二上山と二上城の歴史について記載します。

二上城の歴史を知って二上山を登山しよう!

鳥取県岩美町の二上城址は平成10年(1998年)4月21日に鳥取県指定文化財となりました。

 

非常に険しい独立峰の標高346mの二上山にあった二上城は、圏内でも有数の大規模な山城で山名時氏によって、文和年間(1352年-1355年)に築城され、南北朝時代から室町時代中期にかけての約120余年、因幡国の守護所とされていました。

歴史は様々な諸説がありますが、守護所が布勢天神山城へと移行したことにより、二上山周辺は荒廃し、村民は但馬山名氏(山名の総領家)に窮状を訴え、但馬山名氏一族の三上兵庫頭豊範を城主として迎え…山が険しく不便だという理由で番兵のみを残し新井の後山に道竹城を築いたこととその後時代の争いにより結果廃城したという説があり、未だ研究は続いているようです。

二上山と二上城址の現地学習をしました

以前、いわみガイドクラブで登山した際のレポートです。

時代背景や周囲の状況等概略を理解したうえで出発、駐車場から広域農道を約50m上って登山口に入り、そこから山道へ入ります

頂上「一の平」は100m四方と広く、岩美町はほぼ見渡せ、時氏がここに堅固な山城を築いたのも頷けます。この地は但馬と因幡の境目の城であり、位置的にもこれ以上の場所はないと思われます。

堅固な山城は防御にも優れていましたが、生活をするにはとても不便で山名時氏はいつしか平地に降りてしまうことになります。それでも、二上の城は戦国末期まで続いたようで「二の平」では、その時代の食器などの遺物が見つかっているそうです。

二上山登山と歴史学習の写真一覧

町文化財保護委員の松本美佐子さんをお招きして城の遺構や歴史解説して頂きました。貴重なお話ありがとうございます。城跡ルート図を配布していただき、二上山に登り二上城跡などの歴史を学び一の平、一の平からの扇ノ山方面、網代港、桐山城跡、羽尾岬、金峰山方面。一の平、一の平の帯曲輪、ニの平、二の平から岩常集落を眺めました。

 

二上城は南北朝時代から室町時代中期にかけての因幡国の守護所として山名時氏により築城されたとされ、平成10年に鳥取県指定史跡となりました。写真は城跡の図とルート(今回は緑色のルートの往復:赤いルートはいま通行禁止)です。

 

築城された時代、山は守護所という役割で様々な苦悩や緊張もある場所で荒廃してしまう歴史を経て、現代はこのような美しい岩美町の山並みや集落、海岸をゆっくり眺めながらありがたい気持ちにもなります。写真からでも岩美町の素晴らしい自然と比較的穏やかな暮らしは先代が乗り越え、守られてきたのだと思えますし、その地の歴史を学ぶことで尚更感じます。

常智院・二上峯地蔵(町保護文化財)も併せてごらんください。