延興寺窯

延興寺窯

鳥取県岩美町の窯元の延興寺窯さんについて記載します

延興寺焼きを知って器を使おう!

鳥取県岩美町の延興寺にある延興寺窯の作家は、山下清志(やましたきよし)さんです。土を求めて延興寺の山にたどり着き田んぼの畦道をご夫婦二人で煉瓦を運び、ノウハウがないまま0からのスタートで登り窯を築き、今ではその娘さんである山下裕代(やましたひろよ)さんと一緒に制作されています。

 

所在地:岩美郡岩美町延興寺525-4
延興寺窯Instagram

山下清志さんは昭和23年に鳥取市で生まれ、昭和42年に、大正末期、日本を席巻した民藝運動の中心メンバーとして知られる河井寛次郎の弟子である、丹波の陶工生田和孝さんに師事しました。その後、兄の山下碩夫さんと共に浦富焼を復興し、昭和54年には独立して延興寺窯を開窯しました。平成8年、国画展新人賞を受賞し、平成17年には鳥取県伝統工芸士に認定されました。

 

娘さんである山下裕代さんは平成13年に読谷山焼北窯の松田共司さんに師事し、平成16年から父である清志さんのもとで延興寺窯での制作を始めました。裕代さんの作品は、シンプルで和洋を問わず使いやすいデザインが特徴で、現代の生活空間に自然に溶け込む美しさを持っています。
延興寺窯の作品は、地元の素材を活かし、伝統的な技法を用いながらも現代のニーズに応えるデザインが特徴です。例えば、灰釉面取湯のみや黒釉面取湯のみ、灰釉スープ碗・皿セットなど、日常使いに適した器が多く制作されています。これらの作品は、見た目の美しさだけでなく、使い勝手の良さも重視されており、手に馴染む質感や適度な重さが特徴で、岩美町内のカフェでも愛用されています。

 

延興寺窯の作品は、地元の陶土と釉薬を使用しているため、地域の自然環境との調和が感じられます。籾灰を使った釉薬は、地元の農業と密接に関連しており、地域の資源を有効活用する姿勢が伺えます。また、黒石(泥岩)を使った釉薬は、深みのある色合いを生み出し、作品に独特の風合いを与えています。

 

また、アパレルブランドBEAMSさんでも取り扱いされ、全国の方に選ばれています。鳥取県内、その他様々な展示会などのイベントで作品を展示販売されています。