木彫り十二支おぐら屋

木彫り十二支おぐら屋

鳥取県岩美町岩井温泉街にある轆轤工芸品を製作するおぐら屋さんについて記載します

おぐら屋さんの作品を見に行こう!

鳥取県岩美町にある「おぐら屋」さんは、約200年の歴史を持つ伝統工房です。おぐら屋さんは、岩井温泉街の一角に位置し、歴史ある温泉地と共にその伝統を守り続けています。岩井温泉には「ゆかむり」という独特の風習があり、以前はそれにちなんだ「ゆかむり人形」も制作していました。

 

所在地:鳥取県岩美郡岩美町岩井319
電話番号:0857-72-0520
おぐら屋さんHP

おぐら屋さんの祖先は木地師であり、木を求めて西日本各地を回っていました。約200年前に小椋佐兵衛さんが鳥取県鳥取市吉岡に腰を据え、その後、山陰最古級と言われる岩井温泉に移住しました。

 

おぐら屋さんの作品の中でも特に有名なのが「木彫十二支」です。これは、八代目小椋幸治さんが考案したもので、ろくろで挽いた胴体や顔などの木製部材を接着し、貝を砕いた胡粉(ごふん)を下地に塗り、泥絵の具で着色するという手法で作られています。作業はすべて手仕事で行われ、同じものは二つとしてありません。

 

八代目小椋幸治さんが約100年前に考案した木彫十二支のデザインと色は、九代目の小椋昌雄(故人)が引き継ぎ、現在は長男で10代目の幸人さんが木地人形作り、9代目の妻で県伝統工芸士の愛子さんが下塗りを担当。10代目の妻、真喜さんが絵付け家族で制作されています。小椋家は木地師の家系で、そのルーツは平安時代までさかのぼり、近江の国(現在の滋賀県)の山深い里で始まったろくろの技術を今もなお受け継いでいます。

 

木彫十二支は、その愛らしく素朴な表情が特徴で、お土産や贈答品として全国各地の方々に愛されています。昭和53年、当時の皇太子妃 美智子様が紀宮様へのお土産として購入されたことでさらに広く知られるようになりました。この人形の材料にはエゴノキが使われ、5年間乾燥させた後、ろくろを挽いて材料を作ります。胴体や頭、脚や尾などの部材を接着し、貝を砕いた胡粉を下地に塗り、泥絵の具で着色します。少ないものでも8工程、多いものでは15工程に及びます。

 

おぐら屋さんの作品は、手仕事のぬくもりが感じられるものであり、同じものは二つとしてありません。表情もとてもかわいくおめでたい縁起物として、そっして伝統工芸品としての価値が高く、多くの人々に愛され続けています。