澤田廉三(初代国連大使・外交官)

澤田廉三(初代国連大使・外交官)

鳥取県岩美町出身の日本の外交官である澤田廉三氏が外務次官後、駐フランス特命全権大使・初代ビルマ特命全権大使、初代国連大使、世界経済調査会議長など功績を遺したことや配偶者の美喜さんの経歴も記載します

澤田廉三・美喜夫妻の功績を知りゆかりの地を巡ろう

澤田廉三(当サイトでは解説時廉三さんと記載します)は鳥取県岩美郡岩美町浦富出身の外交官で初代国連大使として功績を遺しています。沢田3兄弟として兄 沢田節蔵(外交官)・弟 沢田退蔵(実業家)とともに優秀で有名だったそうです。

 

東京帝国大学法科大学仏法科卒業語は外務省に勤務し、フランス大使館へ赴任、のちの1922年、三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の孫娘として生まれた美喜さんと結婚し、アルゼンチン、ブエノスアイレス北京、イギリス、フランス、米国、満州、ビルマなど海外を転任しました。

 

戦後は初代国連大使としてニューヨークに赴任し、敗戦国となった日本の国連加盟に向け尽力し(後任が実現)退任後には外務省顧問に就任し、美喜さんが創立したエリザベスサンダーズホームの事業にも協力されました。

 

エリザベスサンダーズホームとは、澤田美喜さんが創設した戦争孤児(GIベビー)の為の施設で、自らの所有物を売却し、また募金集めに奔走してかき集めて創始したそうです。ホーム出身の子どもたちが、小学校、中学校に上がる年齢になり、周囲の偏見・迫害(現代語でいういじめ)や、学校生活との折り合いの問題など解決策を考えた際に、ホームの中に1953年に小学校・1959年に中学校を創立しました。

 

また、エリザベスサンダーズホームの子供たちがのびのびと海水浴ができるようにと、岩美町の熊井浜(入り江になっている)にある別荘【鴎鳴荘】を臨海学校の場にしましたが、ここはとても良い地形でした。拠点である大磯の広いビーチとは違い、三方を山で囲まれたくまやの海(熊井浜)ではプライベートビーチのようになっていて、差別もされず、周囲の目を気にすることなく、心置きなく海水浴を楽しみ、余暇は岩美町の子供たちと野球の試合をして交流を結んだそうです。

 

この交流は、岩美中学校が修学旅行で大磯のエリザベスサンダースホームを訪問する前に、熊井浜の鴎鳴荘の清掃をし、いわみガイドクラブの講師(岩美町歴史史家の油浅さん)から歴史を学ぶという行事が行われていました。ちなみに私もこの授業に2016年に参加しましたが生徒さん皆一生懸命部屋の掃除をしていました!

普段、鴎鳴荘の中には入れませんが、窓から見た熊井浜の写真を掲載します。この窓から海を眺めて食事をしたり、二階の窓辺にみんな座って勉強をし、勉強が終わった子から海で遊べる!という子供らしいルールもあったそうで目に浮かぶ光景でした。

 

  • 沢田 廉三(澤田 廉三、さわだ れんぞう、1888年10月17日 - 1970年12月8日)外交官
  • 沢田 美喜(澤田 美喜、さわだ みき、1901年9月19日 - 1980年5月12日)社会事業家

澤田廉三氏が岩美に建てた碑

澤田廉三氏は『三愛』を提唱し、外交官として世界中を飛び回り様々な風景を見てきた中でも岩美町の浦富の美しい風景を忘れず、故郷を世界に誇る気持ちをずっと持っていたのは寄稿文や書籍などから伝わります。

 

田後に漂着したロシア軍将兵の遺体を厚く葬った田後漁民の心を「人類愛」(鴨が磯でも記載)として讃え、昭和37年6月に「露軍将校遺体漂着記念碑」を自費で建立し、岩美中学の裏山に浦富生まれの仙英禅師(井伊直弼の精神的支えになり英断を促した人物)に「祖国愛」として碑を建立、曹洞宗通幻派始祖の通幻禅師を墓中で出産した母の力を「母子愛」とし「通幻禅師の碑」が建立しました

 

また、57年前に岩美町出身の初代国連大使・澤田廉三さんは国連平和の鐘と岩美中学校裏山の仙英禅師碑に由緒ある角館の枝垂れ桜を植えられました。しかし現在、桜は枯れてしまい国連にも仙英禅師碑がある仙英ヶ丘にもその姿は見当たりませんし語る人もいません。そこで『仙英ヶ丘枝垂桜を育てる会』として2023年に再度植樹するに至りました。

そして2024年開花、廉三さんが世界平和と郷土の誇り・仙英禅師の功績を語り継ぐべきという思いは、2024年に新たに開花しました。

 

仙英ヶ丘枝垂れ桜を育てる会の植樹記録は

をお読みください。

澤田廉三美喜夫妻のお墓参り

澤田廉三美喜夫妻のお墓は浦富海岸を望む場所にあり、関係者、澤田美喜さんが創設した神奈川県大磯町のエリザベスサンダーズホームの卒院生がお墓参りに来られます。澤田家に関することの管理を行っている岩美町の歴史史家の油浅さんが定期的な墓の草取りと掃除をし対応をしています。

 

また油浅さんは澤田家に関する貴重な資料や書籍も保管しておりガイドや取材なども受け付けていますのでご希望される方はお問い合わせください。